和歌山大学 システム工学部
30周年記念サイト

創立30周年に寄せて…

和歌山大学システム工学部は令和7年(2025年)に創立30周年を迎えました。この30周年を祝うにあたり、多くの方々より寄せられたメッセージをご紹介します。ぜひご一読いただき、ご自身の思い出を振り返ってみてください。

システム工学部30周年記念写真
 

TOPICS

2025.11.01

南海電鉄の車両広告掲載開始!

2025年11月より、1ヶ月間の予定で南海電鉄の車両内にシステム工学部30周年記念広告を掲出しています。
広告デザインは卒業生の阿児 駿平さん(2009年入学)に担当して頂き、新旧の建物風景を元にシステム工学部30年を象徴した素敵なポスターに仕上げて頂きました。
こちらは各車両に掲載されていますので、ぜひご乗車の際にご覧頂ければと思います。

南海電鉄30周年記念広告
2025.10.14

数多くの応募の中から、30周年ロゴマークが決定しました!

創立30周年を記念し、学内外に広く本学部の魅力を発信するために使用するロゴマークを募集しました。数多くの応募の中から、厳正な審査とオンライン投票を経て、最優秀賞は、本学システム工学研究科 博士前期課程2年 石橋明大さんの作品に決定しました。
授賞式は、システム工学部同窓会「@sys」主催のシステム工学部創立30周年記念パーティーで行います。

30周年記念イベントポスター
2025.10.11

30周年を記念し同窓会イベントを開催します!

システム工学部同窓会「@sys(アットシス)」では、システム工学部創立30周年記念パーティーを下記の通り開催します。

  • 日時: 2025年12月28日(日) 12:00開始、15:00終了予定
  • 場所: ラヴィーナ和歌山(和歌山大学正門すぐ)
  • 参加申込: 要 (当日参加はお断りさせて頂きます)

詳細・お申し込みは イベント詳細ページ よりご確認ください

沿革

1995

平成7年

システム工学部発足

1996

平成8年

システム工学部3学科体制1期生受け入れ
(情報通信システム学科・光メカトロニクス学科・環境システム学科)

創立当時のポスター
創立当時のポスター
1997

平成9年

システム工学部5学科体制(情報通信システム学科・光メカトロニクス学科・環境システム学科・精密物質学科・デザイン情報学科)

1998

平成10年

A棟(現:北1号館)完成

建設途中のA棟
2000

平成12年

B棟(現:北3号館)完成

建設途中のB棟
2005

平成17年

システム工学部10周年

2005年度の教職員
2005年度の教職員
2015

平成27年

システム工学部20周年

2015年度の教職員
2015年度の教職員
2025

令和7年

システム工学部30周年

学部長メッセージ

学部長写真

未来へ翔るシステム工学部

和歌山大学システム工学部は、2025年に創立30周年を迎えることができました。この節目に立ち会えることを、歴代教職員・卒業生・在学生をはじめ、多くの関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
30年前“社会の未来を切り拓くシステム工学”を掲げてスタートした本学部ですが、時代の大きな変化の中で常にチャレンジと進化を続けてきました。2024年度末時点で、卒業生は7,735名、博士前・後期課程修了生は3,172名、そのうち116名が博士号を取得し、国内外の多様な分野で活躍しています。これら多くの人材が和歌山大学システム工学部から羽ばたき、社会の新たな価値創造に貢献していることは大きな誇りです。
昨今では、時代の変化と社会の要請に応え、カリキュラム改正や6年制教育の導入、さらに女子枠入試の新設といった改革を積極的に推進しています。情報技術の基礎から応用までを段階的に学び、ダブルメジャー制による柔軟な学びと、博士前期課程への一貫教育による高い専門性の獲得が可能な環境を整えました。
これからのシステム工学部には、変化の激しい時代のなかで自ら課題を見つけ、挑戦し続ける力を持った人材の育成が何よりも求められるでしょう。教職員一同、教育と研究の両面で質の向上に尽力し、社会や地域とともに新しい未来を創造していくため挑戦を続けます。30周年のこの輝かしい節目を新たなスタートとし、学生の皆さんがそれぞれの夢に向かって大きく羽ばたくことを心から願い、これからのシステム工学部の発展に熱いエールを送ります。

システム工学部長 中村 恭之

同窓会長メッセージ

同窓会長写真

同窓会会長としての祝辞と感謝

和歌山大学システム工学部創立30周年、誠におめでとうございます。この節目の年に、同窓会会長として寄稿する機会を賜りましたこと、大変光栄に存じます。まずは、これまで学部の発展にご尽力された歴代学部長、教職員の皆様、そして在学生や卒業生、地域社会の皆様に心より感謝申し上げます。
30年前、複数の技術を融合・複合化して付加価値の高いシステムを作る工学を目指し、我が和歌山大学システム工学部は誕生しました。当時、AFカメラやCDプレイヤーが世にあふれ、高度に光学とメカトロニクスを駆使してフィルムに画像を収めたり、音楽を奏でたりする技術に心を奪われ、入学を夢見て入試に臨んだ日々を、今でも昨日のことのように思い出します。
その後、時代の変化に合わせ、システム工学部は様々な改革を経て現在の形に発展してまいりました。今日、大きく発展してきた我がシステム工学部ですが複数の要素が有機的に関係し合い、大きな付加価値を生むという理念は不変のものと考えております。
それは技術のみならず人材についても同じです。様々な人材の多様性を受け入れ、共通のゴールを目指し共に学ぶということはシステム工学部で学ぶことの大きな意義であり、和歌山大学システム工学部生に共通して得られる特権だと考えます。こうして輩出された卒業生の多くが、産業界や学術界、行政、さらには国際社会においても活躍していることは、学部の誇りであり、今後の後輩たちの目標でもあります。
また、同窓会としては、卒業生同士のネットワークを広げ、母校と社会との架け橋となるべく活動を続けてまいりました。今後も、学生支援やキャリア形成、地域貢献など、多岐にわたる取り組みを一層推進していく所存です。皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
最後に、和歌山大学システム工学部の更なる発展と、関係するすべての皆様のご健勝、ご多幸を心より祈念いたしまして、私の寄稿とさせていただきます。

システム工学部同窓会
会長 山野井 康

教員メッセージ

教員写真01

システム工学部30周年を迎えて

私が和歌山大学に着任したのは、ちょうどシス工10周年の2005年4月でした。当時は設立当時からの5学科制で、私自身は光メカトロニクス学科へ配属されました。私が初めて大学を訪れたのは、前年秋の採用面接の時で、本部横の階段を上るとシンボルゾーンを通る風が心地よく、また、面接場所であったシス工棟からきれいな海が見えたのが印象的でした。環境が変わる不安もありましたが、対応していただいた先生方が皆親切な方々で、不安が和らいだことを覚えています。着任後は、初めて講義を担当することになり、しばらくの間は毎週の講義の準備に追われながら過ごしました。事務の方々や先生方の名前も分からず、何をするにも時間がかかりましたが、当時の学生達に教えてもらう和歌山のことなど、何であれ新鮮だったのを思い出します。同年代の先生方と話をする中で印象的だったのは、先生方が学生のことを良く知っており、講義などで気になった学生の名前を出すと、直ぐに話が通じたことでした。
教員が多かったということもあると思いますが、当時は教員と学生の距離が今よりも近かったような気がします。そこからの20年は、あっと言う間という印象ですが、その間、大学駅やイオンもでき、また、ふじと台の街並みも整備され、大学まわりの印象は随分と変わりました。また、学部の体制も、2015年に1学科10メジャー制に、2023年には現在の8メジャー制に移行しています。卒業生の皆さんにとっては寂しい面もあるかと思いますが、当初の光メカのメンバーは、現在のロボティクスメジャーと電子物理工学メジャーで活躍しています。退職された先生も多くいますが、当時から続いている研究もありますので、機会があればHPなどをご覧ください。

応用理工学領域 教授 長瀬 賢二
教員写真02

複数技術の融合から、新しい未来が生まれます

時が経つのは早いもので、システム工学部が設立されてから30年も経ったのですね。私が和歌山大学に赴任したが1996年4月です。設立当初に赴任した先生方もほとんどが退職または異動され、今ではシステム工学部の歴史を語れる数少ない生き証人となってしまいました。設立時は、まだシステム工学部の校舎もなく、研究室は図書館の視聴覚室で相部屋、物理学実験は教育学部の実験室を借りて行ったのを思い出します。
5学科でスタートしたシステム工学部ですが、電気・機械系である光メカトロニクス学科は、2015年の1学科制への改組と同時に機械電子制御メジャーと電子計測メジャーに分かれました。その後、電子計測メジャーは電気電子工学メジャーに名称変更を行いました。
そして2023年には、メジャー再編で、機械電子制御メジャーはロボティクスメジャーに、電気電子工学メジャーは材料工学メジャーと統合して電子物理工学メジャーに、それぞれ生まれ変わりました。
今振り返ると、この30年という時間は、あっという間に過ぎ去ったように感じています。科学技術の革新は目覚ましいものがあり、30年前に夢に描いた未来の社会が今では現実のものとなってきています。この技術革新のキーとなっているのが、まさに複数技術の融合であり、システム工学部の教育理念でもあります。今後、システム工学部という学び舎を巣立った皆様が益々活躍され、より良い社会を築く功労者となってくれることを願っています。

応用理工学領域 教授 村田 頼信
教員写真03

化学メジャーの10年

この度、システム工学部が創立30周年を迎えるとのこと、誠におめでとうございます。20周年からさほど経っていないように思いますが、振り返ってみると、この10年、さまざまなことがありました。まず、創立20周年を迎えた2015年4月に、システム工学部が改組により1学科10メジャー制になったことで、従来の精密物質学科の化学系は「化学メジャー」となりました。そして、2023年4月には3領域8メジャー制となり、現在は、「応用理工学領域 化学メジャー」となっています。2015年度以降の教員の異動としては、2016年10月に坂本隆先生が、2023年10月に吉田健文先生が着任され、坂本英文先生が2025年3月にご退職されました。教員の入れ替わりがありましたが、化学系研究室の雰囲気は、従来とあまり変わっていないという印象です。
ただ、2019年度末頃からの新型コロナウィルス感染症の流行により、学生の学内への入構が厳しく制限され、研究室での日々の研究にも差し障りが出ただけでなく、実験の授業を夏休みに集中講義で行ったり、大学院のシステム工学講究をオンラインで行ったりと、非常に大きな影響がありました。現在では、ほぼ従来通りに戻っていますが、対面で行う行事が簡素化するなど、当時の影響がちらほら残っているようにも思います。
卒業生の皆さんは、日々の生活でお忙しいとは思いますが、これを機に、ご都合がつきましたら、ぜひ、大学へも足を運んでいただき、ご自身の学生生活を懐かしんでいただけたらと思います。私たち教員も、皆さんのお越しを歓迎いたします。
今後、システム工学部がますます発展するよう祈念しております。

応用理工学領域 教授 矢嶋 摂子
教員写真04

和歌山大学システム工学部での四半世紀

和歌山大学システム工学部30周年おめでとうございます。私は2000年10月、精密物質学科に助手として赴任しました。初出勤は暑いぐらいの晴天の日でした。当時、大学は山に囲まれていて、国道26号(現、県道・府道752号)から登った先には、日航社宅(現、グリーンプラネットハウス)と和歌山大学しかなく、結婚式場やふじと台の住宅・道路、ましてやショッピングモールなどは影も形もありませんでした。まだガラケーの時代、これまたお店も紀の国大橋もなかった大谷方面から、記憶した地図を頼りに裏坂を登るつもりの自転車通勤で、なぜか谷を挟んだ隣山のみかん農園に行ってしまい、そこから汗をぬぐいつつ大学らしき建物群を裏から眺めたのが25年前のことです。
それは、竣工間もないピカピカのシス工棟で、学科初めての卒業研究が本格化していたころでした。それから四半世紀が過ぎ、多くの卒業生が巣立って行きました。この間、5学科から1学科メジャー制への組織改編とその後のメジャー再編があり、応用物理→材料工学→電子物理工学と所属メジャー名が変遷しました。2020年からの2~3年間は、新型コロナウイルスの蔓延により、対面授業や学生との研究活動が制約されたことは衝撃的でした。さらに、国際情勢の急激な変化は研究環境にも影響を与え、実験に必要な寒剤の入手が困難で20年前に可能だった実験ができなくなっている厳しい状況です。システム工学部は、建物も人もAgingが進みつつありますが、それでも研究内容をアップデートして活動の場を広げながら、光物性の研究を継続できていることに感謝したいと思います。

応用理工学領域 准教授 秋元 郁子
教員写真05

30年、次章へ

創立30周年、心よりおめでとうございます。
人生にたとえるなら、子どもから大人へと成長し、社会に出てさまざまな経験を積み、責任ある立場で活躍している年齢にあたります。これからは、さらに成長し、より充実した歩みを続けていく時期に入ったといえるでしょう。次の30年後(人でいえば還暦)に向けて、これからの発展を心から楽しみにしております。
私自身も、システム工学部に着任してから今年で30年目を迎えています。1996年4月、九州大学大学院工学研究科博士後期課程を修了してすぐ、和歌山大学システム工学部の助手として赴任しました。それ以来、人生の半分以上をこの学部で過ごしてきました。振り返ると、この30年は本当にあっという間でしたが、とても充実しており、大学教員として大きく成長できた年月でした。
創立当初はまだ校舎もなく、1期生が入学した年から、まさにシステム工学部をゼロから作り上げる日々が始まりました。その後の国立大学法人化やメジャー制への移行など、大きな変化を仲間とともに乗り越えてきました。環境がめまぐるしく変わる中でも、学部が一歩ずつ着実に成長していく姿を間近で見られたことは、私にとって何よりの喜びです。
これからも、これまでの経験を活かしながら、少しでも学部の力になれるよう努めてまいります。そして、システム工学部が次の30年も笑顔と活気にあふれた場であり続けることを、心から願っています。

環境デザイン学領域 教授 江種 伸之
教員写真06

環境系を振り返る30年

環境システム学科としてスタートした環境系は、その後、環境科学と環境デザインに分かれ、さらに環境デザインは建築・ランドスケープに変わりました。教員は、開学部準備室の日下、近藤、平田(健)、山本(秀)各教員に、足立、井伊、宇民、江種、金子、濱田、養父各教員と中島が加わってスタート。続いて、奥、神吉、中尾(史)、山田、吉田各教員が加わって原型が完成。その後、石塚、小川、河崎、佐久間、三瓶、杉本、高砂、田中、谷川、谷口、田内、中尾(彰)、林田、原、平井、平田(隆)、藤木、本多、宮川、森、山本(祐)各教員も環境系の教育/研究を担われました。教務補助は大家さん、松井さん、湯川さん、事務担当は久保さん、辻さんでした。開学部から残っている教員は、今では江種教授と私だけ。その私も、あと3年で定年です。
私が所属する「みどり研究室」の教員は、もう私だけです。和大での私の研究は、森林、温暖化、国営公園に始まり、スイス、ドイツ、自然エネルギー、乾燥地(毛烏素)、マングローブ(アラブ)、アマモ、沖縄、孟子、高野熊野、古道、災害、棚田、廃校、神社仏閣、地域性種苗と拡散し、今では妖怪研究を本格実施しています。
振り返ると、環境系教員も「みどり研究室」も様変わりしました。それでも、現場で、研究室で、学生の皆さんが頑張っていた姿は、今も私の心に刻まれています。研究室は第二の実家、いつでも遊びに戻ってきてください。

環境デザイン学領域 教授 中島 敦司
教員写真07

システム工学部の創設準備から現在までを振り返って

システム工学部設立30周年記念おめでとうございます。思い返せば、今から34年前の28歳のときに、経済学部の講師として本学に赴任し、その1年後に理工系学部創設準備室が開設され、システム工学部の創設をスクラッチからかかわることになりました。創設準備の会議は、たとえば、どれくらいの収容人数の講義室を何部屋つくるのか、といった議論から、各学科の教育理念と学科間の連携をどのようにアピールするのかといったことまで、13時から始めた会議を、休憩をとることなく21時ごろまで続けたこともありました。今となっては懐かしい思い出です。その後、めでたく情報通信システム学科、光メカトロニクス学科、環境システム学科の一期生が入学し、精密物質学科とデザイン情報学科の最初の学生は1年遅れで入学しました。これは、予算の関係で、まず、北1号館が完成し、1年遅れで北3号館が完成することになっていたためです。一期生が3年生の後期になったときに初めての研究室配属が行われ、デザイン情報学科は、情報通信システム学科の一期生の約半数を卒研生として受け入れました。
一期生は個性的、かつ、大変優秀で頑張り屋の学生が多く、院進学者も多かったです。そして、院修了後の就職先も、大手企業に就職した学生が多くいました。この5学科体制は、10メジャー制に移行するまでの20年近くにわたって続き、その間は、近畿地方以外の出身者も多く、大学付近に住んで、研究室に泊まり込んで研究したり、コンテンツ作成に励んだりする学生が多かったです。
これからの和歌山大学について考えてみると、本学には、クリエという学生が自主的にプロジェクトを推進できる素晴らしいセンターがあり、そして、それを指導する教員にも恵まれていると思います。AIが発展する今後の社会においては、知識を教えるだけの教育は意義が薄く、このクリエをうまく生かしていくことが、今後の和歌山大学の発展のカギを握っているのではないかと思います。今後もシステム工学部と和歌山大学の発展を応援していきたいと思います。

情報学領域 准教授 曽我 真人
教員写真08

1995-2015-2023-2045

私は1995年4月にシステム工学部創設準備室に講師として着任しました。1995年といえばWindows95が販売されPCが一般家庭に普及するきっかけになった年で、インターネット元年と呼ばれる年です。私が所属していたのは情報通信システム学科ですが、情報通信技術(ICT)という用語が広く使われるようになったのは 1990年代後半以降といわれているので、先見性のある新しい学科であったといえるでしょう。その後、システム工学部は2015年に5学科制から1学科10メジャー制に移行し、2023年からは3領域8メジャー制になりました。世の中では2015年頃に第3次AIブームが起こり、2023年はChatGPTを始めとする生成AIの出現が衝撃を与えた年でもあります。
このようにICT分野におけるマイルストーン的なイベントが起こった年に、システム工学部が創設され改組が行われてきたのは偶然の一致にしては面白い現象だと思います。私の専門分野は人工知能(AI)ですが、1990年代はいわゆる「冬の時代」といわれる時期でした。私の研究室も当初は4年生と大学院生を併せて毎年10名以下だったのですが、2010年代に入って学生数が徐々に増えて昨年度は19名という大所帯になりました。AIの技術進化は今後ますます加速し、2045年頃にはAIが人間の知能を超える転換点(シンギュラリティ)が訪れるといわれています。2045年はシステム工学部創設50周年にも当たります。その頃、システム工学部はどのように進化しているでしょうか。

情報学領域 教授  坂間 千秋
教員写真09

ホールのネームプレートについて

システム工学部での出来事で、自分にとって最も印象深いのは、2014年5月の件です。
情報知識学会という小規模な学会があります。年次大会を本学で開催することになり、システム工学部A棟(現・北1号館)1階の教室2つを使用して、発表などを行いました。1階ホールも使わせてもらい、受付や、来場者の質問対応に当たりました。
土日の2日間の開催で、たしか日曜日の午前中のことです。多くの来場者は教室に入り、私と受付担当の学生のほか、東京からお越しの学会長、事務局長もイスに座って雑談をしている中で、受付からすると後方となる、壁に掲示されているネームプレートに情報知識学会の論文賞受賞者の名前があることを知らせました。
左から2列目のプレートを示すと、事務局長が大いに関心を示し、カメラを手に写真を撮っていきました。受賞者は、システム工学部・システム工学研究科の1期生でした。
「システム工学部 表彰」のネームプレートは年々、増えています。上下段に分かれ、氏名は延べ300名を超えています。学生の名前が載るよう、引き続き指導していきます。

情報学領域 准教授 村川 猛彦

卒業生メッセージ

卒業生写真01-1 卒業生写真01-2

創立30周年に寄せて

このたび、システム工学部創立30周年を迎えられましたこと、心よりお祝い申し上げます。
私は、社会活動が水環境に与える影響をテーマに研究しておりました。河川水や湧水を対象に各地でフィールド調査を行い、分析に明け暮れた日々は、今でも鮮明に思い出されます。ゼミメンバーとの調査は小旅行のようであり、泊まり込みで夜通し行った化学分析や論文作成は、まるで合宿のような濃密な時間でした。一つのことを真摯に探究できたあの時期は、今振り返っても懐かしく、かけがえのない貴重な経験であり、私の学びの原点となっています。修士課程では交換留学の機会をいただき、オーストラリアで3か月間、現地学生と生活を共にしながら牧場などで調査を行いました。土砂降りの中で牧柵を設置したり、悪路を進んで試料を採取したりと、自然の厳しさと向き合う体験を通じて、国際的な視点と多くの学びを得ることができました。
こうした研究活動は、現在の環境事業会社への就職にもつながり、知識を社会に役立てるという実感を得る貴重な機会となりました。システム工学部での学びは、社会に出てから必要となる視点やスキルの土台となり、深く感謝しています。
この場をお借りして、在学中にご指導くださった先生方をはじめ、研究活動を支えてくださった関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。皆様の温かいご支援と励ましがあったからこそ、今の自分があると実感しております。
今も大学時代の仲間とは、離れた場所に暮らしながら、月に一度のWeb飲み会で顔を合わせています。仕事や子育て、健康など話題は尽きず、今もこうしてつながっていられることに喜びを感じています。大学生活は、学びの場であると同時に、人生の転機となる出会いや経験の場でもあります。ぜひ、皆さんにもかけがえのない仲間との出会いや、さまざまな体験を通じて得られる気づきと学びを大切にしてほしいと思います。
改めて、30周年という節目を迎えられたことに敬意を表し、今後のさらなる発展を心より願っております。



母校である和歌山大学システム工学部が30周年を迎えたことを心よりお祝い申し上げます。
3期生として過ごした学び舎での時間は、今も私の人生を支える大切な財産です。
在校生の皆さんには、学問を通じて自分自身と向き合い、社会に貢献できる力を磨いていただきたいと思います。これからの発展を心よりお祈り申し上げます。

山野 賢一さん(1997年入学)
山野 由実さん(旧姓:曽根)(1998年入学)
卒業生写真02

和歌山大学システム工学部30周年を祝して

和歌山大学システム工学部の卒業生として、この度システム工学部の30周年を迎えるにあたり心からの祝辞を申し上げます。
研究室時代、構造有機化学を専攻しておりその学びは非常に貴重な経験でした。特に恩師との対話や研究活動を通じて、理論と実践の両面から化学の奥深さに触れることができました。教授陣の熱意ある指導や、同級生との切磋琢磨の日々は今でも鮮明に思い出されます。またそこでの実践的な経験や学会発表を通じて得た自信は、その後のキャリアに大いに役立っています。特に、「粘り強く研究することの大切さ」は、現在企業研究者として重要な教訓となっています。困難な課題に直面しても諦めず、試行錯誤を繰り返しながら解決策を見つけ出す姿勢はシステム工学部で培ったものです。この姿勢が、私が今の職場で成果を上げ続ける原動力となっています。
これまでシステム工学部は、社会のニーズに応じた高度な技術と知識を提供し、多くの優れた人材を輩出してきています。多様な分野にわたる研究活動や教育プログラムは、常に時代の最先端を追い求め、地域社会や産業界との連携を強化してきました。この努力がシステム工学部の30年という輝かしい歴史を築き上げたのだと思います。次世代の学生たちが創造力と実践力を兼ね備えたエンジニアとして成長し社会に貢献できるよう、引き続き最先端の教育と研究を提供して頂けたらと存じます。
最後にシステム工学部の全ての教職員の方々、学生、そして卒業生の皆様に心からの感謝と敬意を表し、輝かしい未来を切り拓き続けることを祈念いたします。

山根 健太郎さん(2000年入学)
卒業生写真03

母校を愛する卒業生の一人として

創立30周年、誠におめでとうございます。この節目の年を迎えられたことを、卒業生の一人として心よりお祝い申し上げます。
大学で過ごした日々を振り返ると、多様な価値観との出会いや仲間との交流、そしてシステム工学部での学びが、今の自分を支える基礎となっていることを実感します。今でも大学へ足を運ぶたびに、当時の記憶や体験がよみがえり、懐かしさとともに、自分の原点を見つめ直す気持ちになります。
現在では名称が変わっていますが、A棟・B棟・S棟―講義室や演習室、そして私の成長を支えた研究室―それぞれに、かけがえのない思い出が残っています。
この30年の間に、大学は教育・研究の両面で大きく発展し、多くの優れた人材を社会へ送り出してこられました。母校の歩みがもたらす社会への貢献は、卒業生としての大きな誇りです。この歩みを止めることなく、次の10年、20年に向けて、さらなる成長と挑戦を重ねていかれることを心より願っております。
これからも、在学生・卒業生・教職員が一体となり、学びとつながりの輪がより豊かに広がっていくことを期待しています。
改めて、創立30周年、心よりお祝い申し上げます。

元木 伸宏さん(2004年入学)
卒業生写真04

和歌山大学で過ごした10年間

和歌山大学システム工学部創立30周年、誠におめでとうございます。
学部入学から博士課程修了まで、私は10年という長い時間を和歌山大学で過ごしました。和歌山市で生まれ育った私にとって、地元の大学で世界に通用する情報科学を学べたことは、かけがえのない財産となっています。
学部時代は情報科学の基礎をじっくりと学び、修士課程では研究の面白さに目覚めました。一度は企業に就職し、日立製作所で2年間実務経験を積みましたが、研究への情熱が忘れられず、再び母校に戻って博士課程に進学しました。この決断ができたのも、システム工学部で培った研究への純粋な興味と、温かく迎えてくださった先生方のおかげです。
システム工学部での10年間は、単に知識や技術を身につけただけでなく、困難な課題に挑戦する勇気を与えてくれました。現在、奈良先端科学技術大学院大学で准教授として教育・研究に携わることができているのは、和歌山大学で学んだ研究の基礎と楽しさがあったからこそです。
これからのシステム工学部が、私のように地元で世界レベルの教育を受けたいと願う若者たちの夢を叶える場所であり続けることを願っています。そして、ここで学ぶ学生たちが、研究の楽しさを知り、それぞれの道で活躍されることを心から期待しています。

柏 祐太郎さん(2009年入学)
卒業生写真05

学びとつながりの力

和歌山大学システム工学部創設30周年、おめでとうございます。母校の記念すべき節目に、卒業生としてメッセージを寄せる機会をいただき、心より感謝申し上げます。
私はシステム工学部情報通信システム学科の14期生として在学し、多くの学びと出会いを通じて、社会人としての土台を築くことができました。第一志望ではなかったため入学当初は複雑な思いもありましたが、熱意ある教職員の皆さまのご指導、興味深い授業や研究、そして友人たちと楽しく過ごした日々は今も色褪せることなく心に残っています。
今振り返ると、当時もっと丁寧に学び、知識を深めておけばよかったと感じることもあります。社会に出てから、学生時代に学んだことが思わぬ場面で役立つたびに、その価値を再認識しています。学べる環境がいかに貴重だったかを、卒業後にようやく実感しています。
現在はシステム工学部同窓会常任理事として、卒業生の皆さまと関係を構築すべく活動しています。SNSなどで簡単につながれる時代ではありますが、同窓会を通じて、仕事や子育てに関するアドバイスをいただいたり、励ましを受けたりした経験は、私にとって大きな心の支えとなりました。卒業後もゆるやかにつながることで、思わぬ助けや学びが得られることもあると実感しています。
母校のさらなる発展と、これからも多くの人が価値あるつながりを育んでいける場であり続けることを、心より願っております。

阿児 駿平さん(2009年入学)
卒業生写真06

研究室の仲間と切磋琢磨した日々

システム工学部30周年、誠におめでとうございます。長きにわたり、多くの優秀な人材を社会に送り出してこられた歴史と伝統に心から敬意を表します。
私が学生時代に所属していたのはソーシャルソフトウェア工学研究室です。そこで過ごした日々は、今振り返っても大変濃密で忘れがたい経験となっています。研究は決して楽なものではなく、思うように進まないことも多々ありました。しかし、自らの課題を追究し、成果が少しずつ形になっていく喜びはかけがえのないものでした。研究室の仲間と切磋琢磨し合い、時には励まし合いながら過ごした時間は、今でも鮮明に思い出されます。また、自分の研究室だけでなく、他の研究室の学生や先生方とも交流を深めることができ、多くの刺激と学びをいただきました。困難を乗り越えられたのは、友人や先輩・後輩といった人との繋がりがあったからこそであり、その大切さを強く実感しています。
在学生の皆さんにお伝えしたいのは、どうか目の前の学びや研究に真摯に向き合ってほしいということです。時には苦しい瞬間もあるかもしれませんが、その経験は必ず将来の力となります。そして、仲間との絆や人との出会いは、学問の成果と同じくらい大切な財産になるはずです。どうか人との繋がりを大切にし、自らの可能性を信じて挑戦し続けてください。
システム工学部のさらなる発展と、皆さまのご活躍を心より祈念しております。

安東 亮汰さん(2016年入学)

在学生メッセージ

在学生写真01

研究を支える学部での経験

創立30周年、誠におめでとうございます。私は学部から博士前期課程までの6年間を本学部で過ごしました。もともと科学への興味と好奇心が強く、幅広い学問を深く学びたいという思いを抱いていました。システム工学部では、領域やメジャーごとに多様な学問が展開されており、それらを自由度の高いカリキュラムのもとで、幅広く学ぶことができました
特に、実習や実験といった手を動かして取り組む形式の講義は、実践的な力として大きく身についていると感じています。現在は博士後期課程の学生として研究に取り組んでおり、本学部で培った豊富な知識や多角的な思考力が大きな力となっています。今後も、本学部がさらなる発展を遂げ、多くの学生に学びと成長の機会を提供し続けることを願っております。

応用理工学領域 林 雅也さん
在学生写真02

和歌山大学へ編入してからの学び

私は和歌山大学に3年次編入で入学し、システム工学部創設から30周年という節目の年を学生の立場で迎えました。編入してから、第2メジャーで選んだ情報系を含む他メジャーの勉強には特に苦労しました。それでも、基礎から学んだことにより、卒業研究や大学院試験でその知識を活かすことができました。
また、このような複数の領域について学ぶことは、将来活躍できる分野が広がると思っています。この教育体制はシステム工学部創設からおこなわれてきた様々な改革により生まれ、他の大学にはない和歌山大学の強みであると感じています。この強みを活かしながら、システム工学部のさらなる発展に向けて少しでも貢献できるよう勉学に励みたいです。

応用理工学領域 藤本 朋希さん
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興味を持ち、挑戦すること

私は「自然」への関心から環境科学メジャーを選び、地球化学や水土環境を学ぶ中で、人と自然との関わりを深く考える機会を得ました。現在は景観生態学研究室に所属し、植生をテーマに大好きな島や山へ、ゼミの仲間と存分にフィールドワークで出向いています。研究で用いるドローンは学内で自由に練習でき、操縦士資格取得への準備にも毎日のように活用していました。
また、卒業論文では、自分の希望するテーマをもとに、教授には多大なご指導、ご協力をいただきながら、納得のいく論文をまとめることができました。システム工学部は、多様な分野に挑戦し、自分の興味を伸ばす機会を与えてくれる場であると感じています。

環境デザイン学領域 多計 萌夏さん
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多角的な視点を養い、地域の課題解決に挑むことができる場

私は、システム工学部で主に建築・都市分野を専攻しています。加えて本学部の特色である、情報分野など複数の専門領域を分野横断的に学修できる環境により、課題に対して多角的な視点でアプローチする力を培うことができていると実感しています。また、研究活動の一環として自治体の方々と協働し、地域の課題解決に向けたフィールドワークや施策提案を行い、その成果を大阪・関西万博で出展するなど地域社会と密接に関わる機会をいただきました。
大学での学びを実現可能な形に落とし込む難しさを感じながらも、多様な関係者との協働を通じて実践的な問題解決力を養うことができました。次のステージでも本学部で得た学びを基盤として、社会に価値を創造し続ける人材へと成長していきたいです。

環境デザイン学領域 伊賀 大晟さん
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始まりは孤独。終わりは充実

30周年おめでとうございます!
私が入学したのはちょうど新型コロナウイルスが流行りだした年で、1年生の前期は全てオンライン授業。全く学校に行く機会がなく、思い描いていたキャンパスライフとは異なるものでした。そのような特殊な状況ということもあり、大学院も併せて6年間の学生生活を上手くやっていけるか不安の大きいスタートでした。
しかし、後期からは少しずつ学校に行けるようになり、教室で授業を受けて、新しい友人を作る中でようやく大学生になったんだと実感しました。
特に研究室に配属されてからは、同じ研究室のメンバーと研究の話をしたり旅行に行ったりととても充実した日々を過ごすことができました。和歌山大学で過ごした6年間は社会に出てからも忘れられない大切な思い出です!

情報学領域 山田 泰輝さん
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自分の関心を広げるために

私はシステム工学部において、学業とクリエの活動を両立しながら学生生活を送ってきました。特に授業が多く忙しかった1~2年次には、授業やクリエ活動、アルバイトを含めた毎日の予定を工夫して立てることを意識しました。その結果、納得のいく成績を収めることができました。こうした積み重ねによって希望する領域や研究室に配属され、自分の関心に沿った学びに取り組んでいます。
システム工学部の特色は、幅広い学問分野を学ぶ中で興味を見つけ、それを専門的に深められる点にあると考えます。私自身も忙しい日々の中で関心ある分野を見つけ、希望する進路に進めたことが、学びのモチベーションや自信につながっています。

情報学領域 德元 聖也さん